黒沢の「赤ひげ」をみました!
次回作でモノトーンの映像を使うかも知れないので昔の映画を借りてきました。以前、羅生門を見ましたが、何だか古くて演技も、あんまり、って感じでした。ここから以後みんな影響を受けて作ったために古く感じるのだと思います。しかし、赤ひげは違った。光と影が作る造形美は話の筋を際立たせ、ぐいぐい引き込んで離しません。暗闇に光る二木てるみ演ずる薄幸な少女の眼は、猜疑心の固まりのような彼女の心を良く表現していたし、山崎努演じる将に死んで行こうとしていく職人の顔を浮き立たせる照明、香川京子の狂女と2人切りになった若医師の加山裕三の芝居を凄まじい不気味さで浮き立たせる照明。どこを見てもものすごい計算のもとに作られているのが良くわかりました。笑えたのは確か森田監督だったと思うけど家族の食事シーンで卓を囲まず横並びで食べていたのはここからなんだとわかったことでした。また、その内容のリアルな事、山本周五郎の原作は読んでないけど医学用語が現代に通じるものだったり、複雑に入り組んだシノプシスや人物設定は生々しく悲劇は
また、いかにも哀れで泣けてしまいました。世界中の人が今だにクロサワと言うのがやっとわかるような気がしました。
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