いろいろ
特殊撮影シーンの撮影日の事をお話しましょう。
撮影は鹿児島特撮映像研究団体にお願いしました。きっかけは鹿児島特撮映像研究団体(以後鹿特体)から事務局に届いたDVD
。内容を見て驚きました。ウルトラマンの活躍、オリジナルのヒーロー戦隊の映像でした。早速電話して特撮シーンを手伝っていただきたい旨を話しました答えは快諾。さあいよいよムービープロジェクト初の特撮です。
鹿特体の岩崎さんは熱い方で、お会いする時にはすでに撮影プランを持ってきていました。今まで培った技術、アイディア、ノウハウを話し、それで行くことに一旦はなりました。しかし、ペットボトルにガソリンを入れて発火、爆発させるというアイディアに私が凄く不安を持ち、また鹿特体もこれは未経験ということになり、先に進みませんでした。そこへ、以前から何回も連絡し続けていた(有)六葉煙火とやっと連絡がついたところから、爆発は火薬でやることに方向転換しました。
現場は岩崎さんの職場の1階を借りていただき、特撮監督として鹿特体の大川内さんがきていただき、撮影が始まりました。
撮影に使う、飛行場は岩崎さんが作りました。指宿飛行場にあったと思われる、トーチカ(コンクリートで作られた銃眼を持つ小さな砦のような射撃台)、電信柱、給水塔等々も作られ、その精密さは目を見張る物がありました。
指宿飛行場に配置されていた「零式観測機」は南九州市在住の大工、福吉大一郎さんが作りました。もちろん本物はないのでプラモデルからの製作ですがこのモデルがいくら探してもなかったんです。それを彼らはさっと見つけてきて、精密に、いわば本物そっくりに作ってくれました。原作の柳田さんも作ったんですが、機体に光沢があったり少し現実感がなく、作り直しました。B29は柳田さんのを使用しました。
六葉煙火の古閑さんは何回も発火・爆発のテストを繰り返します。火薬を使う撮影をするから許可を頂いていた、指宿消防署から署員の方もきていただきなかなか雰囲気が盛り上がってきました。
鹿児島からはるばる大川内一家がやってきて、息子さんたちも福吉さんの指導で飛行場付近に生える雑草のつもりのパセリを飛行場の周辺においていきます。
さあ、撮影。いろいろやったけど内容は以下です。
まわりに青い布を巻きました。魚見岳をバックに映すためのクロマキー編集用です。
カメラは低く、零式飛行艇の下部から狙います。ファインダーを覗いた大川内さんは、「うわっ、本物だあっ!!」。
吹っ飛ぶ零戦をひっかける紐はうまくいかなかったので、下川路が革手袋にコートをすっぽり被り、カウントダウンでまず、爆風を煙り玉で爆発、カウントダウンから遅れること0.5秒で飛行場に落下する爆弾が爆発、零式飛行艇の翼を持っている下川路がカメラのレンズに向かって回転させながら近づけます。これを繰り返すこと3回。大川内監督はこれでOK。
この様子は特撮アルバムでご覧ください。
造 形…岩崎 裕行(鹿児島特撮映像研究団体 福吉 大一郎(零式観測機製作)
特殊撮影協力…大川内 健人 大川内 將人 赤崎 ゆかり 赤崎 俊喜
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